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2010年04月 アーカイブ

これはいいです 2

『ふきまんぶく』は文を読む前に、子どもと共に挿絵の一枚一枚にゆっくりと眼をとおして、絵を読んでください。
そして絵が語っている「ふしぎ」を感じとることが、貴重な体験となります。

この絵本の表紙をみますと、書名の書き文字と蕗のとうから顔を出している少女の絵とが、とてもよく解け合っているのに感心します。

文字が絵にまさる、いきいきとした表現力をもっていることに驚かされます。

それとともになにか「ふしぎ」な印象をもちます。

この「ふしぎ」の情感こそ、私たちの国の風土やくらしに根づいた文化だと思います。

今の子どもたちは自然との一体感を経験することが、あまりにも乏しいのではないでしょうか。


畠や植物や土に親しむことのない子どもたちは、人として生きる底力がはぐくまれません。

これはいいです 3

この絵本の絵と物語とからは、自然の力強さや温かさがにじみ出ています。
またそれをゆたかに感じている少女の気持ちが伝わってきます。

冬の畠のまん中に立っている主人公ふきちゃんの絵や、ふきちゃんをおんぶしているお父さんの絵からは、人としての存在感が迫ってきます。

各場面のふきちゃんの顔の表情にも、生きる力がそこはかとなく感じられます。

画面狭しと絵筆を振う田島征三さんの表現力には、近ごろのかわいらしくきれいにまとまった絵本には見られない、たくましくそれでいてやさしい伝統的な日本人の生き方が存分に描かれています。

これこそ今、子どもとともにおとなもじっくりと味わいたい傑作絵本です。

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